2019年9月7日土曜日

快適性とスマートテキスタイル国際シンポジウム2019 2日目 快適性ワークショップ開催


快適性とスマートテキスタイル国際シンポジウム2019 の一環で快適性・健康研究委員会主催で快適性ワークショップを開催した。「暑熱環境下の熱中症リスクと着衣による対策」をテーマとして201997日に奈良春日野国際フォーラム第2会議室にて開催した.2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催される.高温多湿の炎天下のスポーツ時や観戦時には,選手,応援する観客の熱中症のリスクが高まる.したがって暑熱環境下での熱中症発生のメカニズムを正しく理解し,人の個別の状況に応じて熱中症の予兆となる状態の早期把握と,その予防システムの構築やフィードバックするなど対策を講じる必要がある.そこで,本ワークショップでは国内外から人間工学,繊維工学等の関連分野の著名な先生方をお招きして暑熱環境下のヒトの体温調節の生理的なメカニズムと着衣による熱中症予防対策の可能性,さらにシンポジウム全体のテーマとしてスマートテキスタイルが快適性研究に及ぼす可能性に関わる知見を得ることを期待して開催した.
私が2008年に留学した際の指導教員であったLoughborough大学のHavenith先生を始めとして香港ポリテク大学のJintu Fan先生、ソウル国立大学校のLee先生の3人の研究者を海外から招いて、国内でも熱中症予防に関わる先端的な研究を行っている先生方を招いてのワークショップで、国際シンポジウムということで使用言語は英語によるものであったため、準備段階から海外の先生方とのメールでの渉外活動、日本国内の参加者をプロモートするための活動など、不慣れなため、大変なことの連続であったが、学会の総力を挙げてポスター発表を各分野の担当者からプロモートし、終わってみれば、多くの参加者を得て、快適性健康委員会のメンバー、顧問の先生方、メンバー外で今回のために座長として協力し、サポートしてくれた実行委員の先生方のお力を得て、無事に成功裏に終わることができた。
快適性研究にスマートテキスタイルを始めとする無線BANの発達により、環境や衣服の刺激を生体側の生体反応を生体信号として計測する技術にはまだ,未知の部分も多いが,生理学,繊維工学,情報工学などの知見の融合により、近い将来,快適性研究のめざましい発展がおきることが期待された。